魔法のことば 「ありがとう」
「ありがとう」と言われて、気分を悪くする人は少ないでしょう。逆に「あたりまえだよ」とは言われたくないですね。数十年前だったか、読んだ新聞にこんな記事がありました。欧米では、わが子が他人から親切な対応を受けたときに親が「魔法の言葉を言った?」と、我が子に聞くそうです。 そう、魔法の言葉「ありがとう」の事です。わかっていてもできないときがあるのが、人間の悲しい一面ですね。
親鸞さまは、和讃の中に「念仏を喜ぶ人には智慧の潤いが香ります」とよろこばれています。阿弥陀如来という仏さまの智慧の眼によって見抜かれた、私たちのありのままの姿を知らされたとき、わが身を悲嘆する心が漂ってくるはずです。その悲嘆の心はおのずと「ありがたい」「おかげさま」という言葉となって、あらゆるものへの感謝の心に結びついていきます。
参考文献 白川晴顕 著 「浄土和讃を読む」