続いている いのちの不思議に ありがとう
9月は秋のお彼岸をお迎えする月となります。今年は3連休となりますので様々な計画を立てておられる方もおられることでしょう。そして、お墓参りもこの季節ならではの仏教行事ですね。
ところで、私の先祖を1代遡れば両親2人、2代遡れば両家祖父母4人、3代遡れば曾祖父母8人。では10代遡れば何人になるでしょうか。答えは128人。ちなみに30代遡れば現在の日本の人口数を超えてしまいます。
つまり、私一人のいのちがこの世に誕生するために気が遠くなるような命のはたらきがあったということになります。
しかし、不思議なところはそこだけではなく、その気の遠くなるいのちの数のうち、どこか一つが欠けていても今の私のいのちはなかったということです。お墓参りをして手を合わせるということは、脈々と受け継がれてきたいのちの不思議さとありがたさに感謝を申し上げる仏事作法ではないでしょうか。
阿弥陀という仏さまが私たち一切の衆生を救いたいという願いを発して仏になられたのは、十劫という気の遠くなるような昔に遡ります。阿弥陀さまのはたらきはどのような暗闇の世界であろうとも照らしつくし、煩悩の闇に惑わされて、真実の智慧をもたない私たちを一人残さず真実に目覚めさせてくださいます。
参考文献 白川晴顕著 浄土和讃を読む